子ども目線賞(1句)
<作者からのコメント>
学校の宿題で国語の教科書を音読していたら、いつの間にか、聞いてくれていたママが寝てしまっていました。ママは仕事や家事で忙しい毎日で、きっと疲れていたのだと思います。「ママが寝てる!」と兄弟で笑い合っていましたが、「ママは仕事をがんばっているんだな、お疲れさま」という思いになりました。
仕事も家事も子育ても、いつもがんばっているママのことが大好きです。仕事が大変だと思うので、できるだけお手伝いをしたいです。休みの日には、一緒に遊んでください。いつもありがとう!
じぃじばぁば目線賞(1句)
<作者からのコメント>
孫が熱を出して保育園に行けなかったときに、我が家で預かったことがありました。少しでも孫に喜んでもらおうとアニソンを練習していたら、ママから「おばあちゃんの歌は民謡調ね」と言われたので、そのときのことを川柳にしました。
孫は、4月に小学校3年生になりましたが、小さかったときのことをいろいろと思い出します。コロナ禍で行けなかった運動会は、ママが動画をたくさん送ってくれました。現代の働くパパママは、毎日がんばっていると思います。少しでも役に立てればと、私たち祖父母はいつでもスタンバイしています。
見守る目線賞(1句)
<作者からのコメント>
朝の通勤中、電動アシスト自転車に子どもを乗せ、鬼の形相でペダルをこぐお母さん。保育園に子どもを預けて仕事に向かうところだと思いましたが、その鬼気迫る気迫に、思わず道を譲る自分がいました。そんな日常のできごとがこの句を思いついたきっかけになっています。
周囲でもよく同じような場面に遭遇するという声を聞き、あらためて「母は(最近では父も)強し」を再確認しました。愛する家族と生活を支えるために、脇目も振らずがんばるパパママ。みんな同志として、互いにいたわり合い、励まし合いましょう!
協賛社特別賞(3句)
<作者からのコメント>
2歳の娘は好奇心が旺盛で、「これは何?」「あれは何?」と質問攻めが止まりません。仕事から疲れて帰ってきた平日の夜、娘からの終わりのない質問に答えながら、「上司からの数字の詰めなんて優しく感じるな」と思ったことがきっかけで、この句が生まれました。
まさか賞をいただけるとは思っていなかったので驚きましたが、世の中のパパママにも共感していただける内容なのかなと非常にうれしく思います。質問攻めは今後も続きますが、日々の成長をかみしめながら答えていこうと思います。子どもの笑顔を糧にこれからもがんばっていきましょう!
<アイリスオーヤマ株式会社からのコメント>
働き盛りのパパママは、仕事では上司や部下から質問を受けることが多いと思いますが、子どもからの質問がときに本質を突いて、「ドキッ」「ヒヤヒヤ」とすることがあると思います。その情景が見事に描写され、共感できる一句です。
<作者からのコメント>
職場で育休を取得する男性が増えています。男性社員に子どもが生まれると、周囲の社員が「育休取るの?」と声をかける場面をよく目にしますが、取らないことが前提とされているような違和感を覚えたので、川柳にしてみました。
「取るの?」の裏には、「取らないでほしい」「取らないのが普通」という気持ちが見え隠れします。「取らないの?」なら、「育休を取るのが当然」という雰囲気になると思います。性別にかかわらず、子どもが生まれる社員には「育休取らないの?」と声をかけることで、男性の育休取得が当たり前の社会になってほしいと願っています。
<株式会社ハーモニックからのコメント>
シンプルな表現の中に、育休取得への価値観の逆転がうまく表現されていると感じました。ちょっとした表現の違いで、思いやりの気持ちを感じることができる一句です。一人一人の意識の変化が、社会全体の変化につながると信じています。
<作者からのコメント>
我が家には、高校生、中学生、小学生の3人の子どもがいます。子どもたちがまだ幼く会話がままならなかったころは、イヤイヤ期のわがままもかわいいものでしたが、大きくなるにつれてだんだんと簡単にはごまかせなくなり、それぞれに口答えも達者になってきました。子どもたちの成長を感じて、うれしい反面、寂しさもあります。
働きながらの子育ては、大変なことも多くあると思いますが、子どもと一緒にいられる人生はかけがえのないものだと思います。働くパパママの皆さん、子どものイヤイヤ期を乗り越えて、一緒にがんばりましょう!
<株式会社山田養蜂場からのコメント>
子育て中の悩ましいできごとも「仕事に生かせた!」というポジティブさが、「爆上り」という勢いのある一言に表れており、好感がもてました。仕事と子育ては相対するものではなく、相互に良い影響があることを感じさせてくれる一句です。
優秀賞(7句)
9回「オリックス 働くパパママ川柳」概要
主催 :オリックスグループ
協賛 :アイリスオーヤマ株式会社、株式会社ハーモニック、株式会社山田養蜂場
応募方法:インターネット、郵便はがき
応募期間:2025年2月5日~3月6日
選考 :「オリックス 働くパパママ川柳」運営事務局、特別審査員
〈特別審査員〉
尾藤 川柳氏(十六代目川柳、川柳公論社主宰)
田中 裕二氏(タレント「爆笑問題」)
浜田 敬子氏(ジャーナリスト)
特別審査員のメッセージ
大賞に選ばれた句は、困難な壁に立ち向かう姿が言外の広がりとして表現されていて、川柳のテクニックとしても素晴らしいと思いました。今年はほかにも、困難に精一杯立ち向かう働くパパママの姿が描写された句が多く寄せられました。
田中 裕二氏(タレント「爆笑問題」)
働くパパママの心情をズバッと表現した句が多く、非常におもしろかったです。年収の壁、キャリアの壁、預け先の壁。現代社会は壁だらけで、まるで迷路のようです。そんな壁を乗り越えようとがんばる姿が見えるからこそ、応援したくなります。私自身も子育て真っ最中、一緒にがんばりましょう。
浜田 敬子氏(ジャーナリスト)
共働き世帯が当たり前になるにつれ、おじいちゃんおばあちゃんも含め家族全員で育児と仕事を両立しようとする姿に、自身の体験も思い出し、胸がいっぱいになりました。パパからの句もよりリアルさが増し、父親の育児が浸透していることも実感しました。